


- 「基礎代謝」とは何?
- 人が生きて行くために必要な最低限のエネルギーのことを言います。「基礎代謝(BM:Basal Metabolism)」とは、横臥位(上向きで横になった状態)で肉体的・精神的に安静であり、睡眠することなく、腕や脚などを動かさずに24時間で消費するエネルギー量のことをいいます。この状態でも心臓はもちろん、体温を維持するためなどに筋肉や臓器が活動しているため、エネルギーを消費します。このエネルギー量が「基礎代謝量」となります。
1日の「総消費エネルギー量」は、この基礎代謝量に生活活動(家事などを含む日常の活動)代謝量とDIT(食事誘導性体熱産生咀嚼や消化、吸収、代謝など食事にともなうエネルギー消費)を足したものになります。通常、1日の総消費エネルギー量のうち、基礎代謝量は約70%を占めています。
- 基礎代謝は、何によって決まるの?
- エネルギー消費が多い筋肉量によって決まります。基礎代謝状態の大部分は、筋肉によって消費されます。これは、脂肪を除いた体の組織の中で筋肉が約40%を占めているためで(円グラフ参照)、筋肉が多いほどエネルギーがたくさん必要となります。また、筋肉は鍛えることによってその量を増やし、消費エネルギー量を上げることができます。つまり、基礎代謝はその人の筋肉量によって大きく左右されると考えて構いません。そのため、同じ体重でも脂肪が少なく筋肉量が多い人の方が基礎代謝は高くなり、消費エネルギー量も多くなります。
- 基礎代謝は、年齢や性別に関係あるの?
- 若い人、男性の方が高い傾向にあります。基礎代謝は、生後、成長するにつれて高くなり、18歳から20歳前後をピークに、その後は徐々に減っていきます。個人差はありますが、一般に40歳を過ぎると急激な下降線をたどります。これは、加齢によって筋肉が衰えて減少してしまうからです。
また、女性は男性より基礎代謝が低い傾向にあります。女性は妊娠・出産という大切な役目があるため、男性よりも多くの体脂肪を蓄えており、筋肉量が少ないことが原因です。
- 基礎代謝が高い人は、太りにくい?
- 消費エネルギー量が多く太りにくい傾向にあります。一般に筋肉量が多く、基礎代謝が高い人ほど、太りにくい傾向にあります。同じ体重でも、脂肪率が低く基礎代謝が高い人は、24時間稼動している工場のようなもの。たくさん食べてもどんどんエネルギーが消費され、脂肪が蓄積しにくい状態です。逆に基礎代謝が低い人は、燃料をあまり使わない工場のようなもの。エネルギーをなかなか消費できないため、余ったエネルギーが脂肪として体内にため込まれ、太りやすい状態になります。
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- 基礎代謝が高い燃えやすいタイプ
脂肪率が低く、筋肉量の多いアスリート型の人
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- 基礎代謝が低い燃えにくいタイプ
脂肪率が高く、筋肉量の少ない肥満の人
- 基礎代謝は、遺伝と関係があるの?
- 遺伝的要素もありますが、高めることは可能です。一般に基礎代謝には遺伝的な要素があり、「基礎代謝が低いと太りやすい体質の傾向にある」と考えられています。
「やせの大食い」のように、太りやすい・太りにくいという体質には遺伝的要素が関わっています。太りやすい体質の人は自律神経の活性が鈍く、DIT(dietary induced thermogenesis:食事誘導性体熱産生 … 咀しゃくや消化、吸収、代謝など食事にともなうエネルギー消費)が弱く、基礎代謝も低い傾向にあります。遺伝的に基礎代謝が低い人でも、運動をすることによって筋肉量を増やし、基礎代謝を高めることは可能です。
- 基礎代謝が低いと、病気になりやすいの?
- 肥満になりやすく生活習慣病を誘発しやすくなります。基礎代謝が低いと脂肪が蓄積しやすく、肥満になりやすい状態といえます。
「ベルトの穴がひとつ増えると、寿命が1年縮まる」と昔から言われるように、肥満のなかでも特に内臓の周囲に脂肪がたまりやすい「内臓脂肪型肥満」の人は、高血圧や糖尿病など、さまざまな生活習慣病が起こりやすくなります。生活習慣病は単独で起こるより相互に複雑な関係を持ちながら進展しますので、普段から予防が必要です。
- 1日の総消費エネルギー量と基礎代謝の関係は?
- 基礎代謝量 × 生活活動強度指数 = 総消費エネルギー量
1日の総消費エネルギー量は、その人の基礎代謝量と生活活動の中での活動量(生活活動強度)によって異なります。同じ年齢、性別であっても、基礎代謝が高くて生活活動強度が高いほど、消費エネルギー量も上昇します。
- 基礎代謝量を上げることはできますか?
- 基礎代謝は筋肉量に比例します。偏食や運動不足によって筋肉量が少なくなれば、基礎代謝も低下します。反対に、バランスのによい適量の食事に加え、定期的に運動を続けていれば、筋肉量を維持、あるいは筋肉トレーニングなどを加えることで増加します。筋肉量が増加すれば、基礎代謝も上がります。
医師などの指導もないままに極端に食事の量を減らしてしまうと、基礎代謝も極端に低下することが知られています。それは、使用することができるエネルギー量(食事による摂取エネルギー量)が少ないため、少ないエネルギー量で身体を動かす方法を「防衛本能」から身体自身が学んでしまうためです。このような状態になると、大食いまでに至らなくても、食事量を少し多くしただけで太ってしまいます。
また、18歳〜20歳前後をピークに、特に運動などを行わないままでは、加齢とともに基礎代謝は低下します。若いときのままの食生活を続けていると中年太り、今で言う“メタボリック”な状態に陥ってしまうのです。バランスのよい適量な食事と継続的な運動は基本ですので心掛けましょう。
- 基礎代謝を増やすには、どのようなことをしたらよい?
- 基礎代謝を増やすには筋肉を増やすトレーニング(筋肉トレーニング)基本です。また、食事面では良質のたんぱく質を多く含む食事を心掛けることが大切です。
基礎代謝の多くは筋肉によるエネルギー消費ですので、その筋肉を増やすことで基礎代謝は増えます。筋肉が増え、基礎代謝が増えると脂肪も減り(蓄積しにくくなり)、筋肉質の身体へと変わり、太りにくい体質になります。